太い輪郭線(アウトライン)に、鮮やかな色彩が特徴的な「ニュースクールのタトゥー」。可愛いデザインが多く、人気が高いスタイルのひとつです。古くからの伝統を重んじるオールドスクールに対して、特定の技法に囚われず自由かつ独創的に描かれるタトゥーです。今回はそんなニュースクールについて解説します。
INDEX
ニュースクールのタトゥーとは? – オールドスクールとの違い
ニュースクールとは、1980年代後半から90年にかけてアメリカで誕生したカスタムワークが主流のスタイルです。
かつては、オールドスクールのデザインをフラッシュワークで描くスタイルが主流でした。(※フラッシュワークとは、すでに決まった作品例の中からデザインを選ぶことです。)つまり、オールドスクールの伝統的なスタイルを重んじていたがゆえに、カスタムし辛く、デザインの自由度が低かった時代だったのです。
そこで誕生したのが 「ニュースクール」のタトゥーです。これまで継承されてきた伝統的な「オールドスクール(アメリカン・トラディショナル)」の形式に囚われすぎず、お客さんのお好きなモチーフを自由にデザインする、顧客中心主義のスタイルなのです。
ゆえに、オールド(old)と ニュー(new)の名称からも分かるように、オールドスクールと対比したスタイル名になっています。
現在では当たり前になっている、アーティスト(お客さんも)が自由にデザインを楽しむカスタムワーク。このニュースクールが新時代を築いたと言っても過言ではありません。
ニュースクールのルーツとは?
ニュースクール・タトゥーの起源は、様々な説があります。
ちなみに現在でも曖昧な状態で、真相はわかっておりません。
しかし、以下の説のどれかが有力だとされています。
- カリフォルニアの州の彫師たちが、ディズニーや映画などのモチーフを描き始めたことが由来。
- お客さんの需要が変化したことで、自然と広まった。
- 有名な彫師のマーカス・パチェコ氏が、いち早く取り入れて認知を広げた。
などなど。
ニュースクールのデザインについて
ニュースクールのデザインの特徴について解説します。
前述した通り、表現の自由度が極めて高いので、作品ごとにデザインはかなり違います。
しかしながら、基本的には、コミカル調でカラフル、そして立体的な表現が特徴的で、モチーフを現代風にアレンジしたものや、血みどろのもの、アンダーグラウンドのものなど、大胆で独特の色彩のデザインが多く見られます。
また、オールドスクールの影響も少なからず受けており、太いアウトライン等の特徴は、一見するとオールドスクールの作品を彷彿させるかもしれません。
しかしながら、実際には様々なタトゥーの技法を複合的に取り入れ、自由に描かれているケースが多いです。(もちろん作品によりますが・・・)
ニュースクールの入れ墨は、日本の伝統的な入れ墨や、オールドスクール、民族芸術など、多様な入れ墨の伝統から要素を取り込んでいる。太い輪郭線が用いられる点は、オールドスクールと同様である。しかし、用いる色彩の数が限られていたオールドスクールに対し、ニュースクールは多様かつ鮮やかな色彩を用いることが多い。
ニュースクールのモチーフ
ニュースクールのモチーフについてです。
枠にとらわれないニュースクールは、オールドスクールのように「ツバメ」「ハート」など、定番モチーフは決まっておらず、お客さんが希望したモチーフを独創的に描くことができます。
しかし、余談にはなりますが、オールドスクールの定番モチーフを、あえてニュースクールの手法で現代風にアレンジして描くケースも多いです。これは、”古き良き伝統(オールドスクール)”に対する皮肉・敬意を象徴するそうです。
ニュースクールと、ネオトラディショナルの違い!?
ニュースクールは、別名を”ネオトラディショナル”と呼ぶことがあります。
日本では、「ニュースクール = ネオトラディショナル」のように扱われることが多く、区別するケースは珍しいと思います。恥ずかしながら私自身も、全く同じスタイルだと認識しておりました。
しかし、海外のタトゥーのメディアを調べると、気になる情報がありました。
ドイツのタトゥーメディアには、以下のように書かれていました。(※ドイツ語を訳しての引用になります。)
ニュースクールのタトゥーは、ネオトラディショナルよりもカラフルです。ニュースクールは色彩豊かで、少しコミカル(カトゥーン調)に描かれます。
一方で、ネオトラディショナルは、オールドスクールの伝統的なカラーに忠実です。これらのカラーを、現代のモチーフに取り入れたデザインです。
Unterschied zwischen Neo-Traditional und New School(ネオトラディショナルとニュースクールの違い)
たしかにインスタグラムで「#neotraditional tattoo」「#new school tattoo」と検索すると、上記解説の通り、ニュースクールの方は、コミカル(アメコミ等のキャラクターテイスト?)な作品が多くヒットした感じがします。
(私の理解が乏しく、大変恐縮ですが・・・)一部スタジオなどでは、使い分けている可能性もあると思います!
ニュースクール(ネオトラディショナル)のタトゥーデザイン!
ここでは、ニュースクール(ネオトラディショナル)のタトゥーデザインを部位別に紹介していきます。
コミカルで色彩豊かな作品ばかりです!
– 首元
-肩
– 背中
– 胸
– 腰
– 脇腹(あばら)
– 腕
– 手首
– 足
– 足首
タトゥーを隠したい場合は・・・
人生何があるか分からないですし、いざタトゥーを入れた後、やはり年に数回は隠さないといけないシーンが訪れるかと思います。
タトゥーを隠したい場合、ファンデーションシールというアイテムがあります。衣類やサポーターで隠すのもOKですが、最近ではこのような製品もあるのを覚えておきましょう。※肌の色味 / タトゥーの濃さによっては不自然になっちゃうときも・・・。ただし、手軽に目立たせなくできるため、状況によって使い分けてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一人ひとりのこだわりを追求してお洒落にアレンジされたニュースクールは、従来のデザインにはない個性的なモチーフばかりでしたよね!色合いもカラフルなので、全体的に派手なタトゥーが多いです。
和彫りやオールドスクールのように伝統的なデザインも素晴らしいですが、ニュースクールのタトゥーも魅力的で迷っちゃいますよね。
タトゥーを入れる際は、彫師さんと相談して納得のいくデザインを考案してくださいね。